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『かなえられない恋のために』の紐を解く苦渋の10曲
Selected by bice
このアルバム『かなえられない恋のために』は、本当になにから影響をうけたと言われたら困ってしまうくらい自由に作りましたが、長年曲作りをしてきて、悩んだときの10曲にしようかなと思います。聴くと『まだまだできる!!!』と思わせてくれる。。。
1. エミリーにバラを
ザ・ゾンビーズ
『ODESSEY AND ORACLE』の中で何を選ぼうか非常に悩んだあげく、これを結構聴くなーっと。なにげなく転調していくピアノ。ピアノとコーラスのみで出来ている。コーラスワークが凄いなと思う。声が好きです。なによりも。だから一番シンプルなこの曲を選びました。ビーチ・ボーイズの『ペットサウンズ』もコーラスワークは凄いですが、ちょっと赴きがちがいますよね。『ペットサウンズ』は今回は入れないでおきます。当たり前すぎて。。。
2. デザイアー
プリファブ・スプラウト
3. タリー・ホー
ワゴン・クライスト
『TALLY HO!』って言うアルバムのタイトル曲。名義によって多彩なサウンドを繰り出す人だから、最初紛らわしかった。。。Mo'Wax、Ninja Tune、Warp、Rephlex、Planet Mu、Rising HighなどのU.K.90年代~の主要テクノ/クラブレーベルを総なめしているほど凄い人です!ドラムンベース(Plug、Amen Andrews)やブレイクビーツ(Wagon Christ)、ディスコ(Kerrier District)、ジャズ(Ace Of Clubs)、ハウスなど!!!もうなくなっちゃたけど、表参道の<BLUE>にWAGON CHRISTが来たときは感動しました!もうまた泣きたくなりながら踊っていました。なんでこんなにセンスいいの???ってかんじ。この曲は私を不思議な世界にいざなってくれるそんな存在。なんか所々にでてくるピアノにきゅんときます。
4. ノース・マリン・ドライブ
ベン・ワット
チェリーレッド・レコードからのソロ・アルバム『North Marine Drive』。これもアルバムのタイトル曲ですが、本当に、ベン!結婚してーてかんじ(すぐそうなる?)。特殊なギターのエフェクトの感じと、はかない声が魅力的すぎる!!!曲に煮詰まるとこれを聴いて自分を解放することができる一曲。この曲の転調感もすごく心地よいんです。なにげなく作ってるのかすごく考えてるのかわからないけれど、いずれこんな曲ができたらいいなと思います。。。本当にオススメ!ご存知の方ばかりだと思いますが、トレーシー・ソーンと、エヴリシング・バッド・ザ・ガール(EBTG)というデュオ・グループを結成しています。トレーシーのソロも大好き!!!
5. 亡き王女のためのパバーヌ
クロスレイ(ポール)
ラヴェル昔は弾けたのになー。。。。今じゃ指が動きやしない、、、!そんなことはさておき、この曲はラヴェルがまだ、フォーレのもとで学んでいた1899年に作曲されたものらしい。この、フランスならではの新鮮な和声!「水の戯れ」もすきだけど、もっとも聴きなじみのいいこの曲を選びました。私が好きなのはポール・クロスリーのピアノヴァージョンです。私も和声学という、(バッハみたいな和声ができる)を学んでいましたが、3冊目(最後の分厚い本)のところで挫折。でも今すごく役にたっています。フランスの和声をならいたいです。とにかく、クラシックをきくならラヴェルが泣けます。
6. リグレット
ニュー・オーダー
ニュー・オーダーは私の青春です。イアン・カーティス(ジョイ・ディヴィジョン)が亡くなってしまってからでしたが。打ち込みとギターポップが混ざった感じが若き日の私には衝撃的で、音源集めに夢中になりました。何とも言えないギターリフ、声にいつも上がった体温を沈めてくれる感じが好きなのです。日本語へたですみません。昨年出た映像集も興味深く見ていました。FUJI ROCKで観に行こうと思ったら、いっぱいで見られなかったのが悔しくて悔しくて。。。マンチェスター物(ハッピーマンデーズetc,,,)にどんどん惹かれていったあの私の青春時代。本当に爆音で聴くのをオススメしまあす。
7. エイプリル・フール(幸せはパリで)
バート・バカラック
なんて素敵なの!!!だんだん音の厚みが増してゆくオーケストラ。気分は映画の主人公。なんて彼の紡ぎ出すハーモニーは誰しもを酔わせてしまう力がある!実は最近私の結婚式で、知り合いにピアノだけで演奏してもらった。泣きそうになったよ。。。今でもバカラックは作詞&作曲&編曲&プロデュース&指揮&演奏&シンガー&アーティストとしてがんばっているのだから凄い!!!私も素敵な映画音楽ドラマの音楽を作って行こうなんて思う。バカラックサイコー!
8. ココナット
ベニー・シングス
昨年から熱狂的に好きなアーティスト、プロデューサー。思わず浮き浮きして体が動いてしまうのです。小気味よい独特のビートをだしてしまえるのが、不思議です。ウーター・ヘメルが来日したときにベニー・シングスもゲストで来ていて、店員さんに『私は中堅どころのミュージシャンなのですが、私のCDをお二人に渡したいのですが』というと、すんなり通してくれて、その時はじめて、お会いできたのでした。そして、先日、ベニーと、対談が実現したのですが(覚えてくれていた!!!)『なぜ、16ビートの音楽しか作らないのですか?』という私の質問に対して、『僕は子供のころダンサーになりたかったんだ。だからだと思うよ』という回答。えッマジですか~~~って言うのが私の本音。すごいわ!やっぱり!
9. Everybody's Got To Learn sometime
James Warren
元StackridgeのJames WarrenとAndy Davisによる極めて洗練されたモダンポップユニット、コーギスの人です。ソロになってからがロマンティックでいいかな?コーギスもすきだけどね!『Jim's Special Edition Listening Christmas Album』を聴くと分かるけど、ビートルズとビーチ・ポーイズのカヴァーが入っていたりして、リスペクトしてるのがよくわかります。でもジム独特のメロディーラインは最高ですよ!「Everybody's Got To Learn Sometime」は私カヴァーした事があります。が、なんのコンピレーションに入れたか覚えてません!!!本当に憂いのある、そしてちょっとユーモアがあるジェームス。多分わたしジェームスと話合うと思うなー。
10. Only Love Can Break Your Heart
Saint Etienne
この曲の作曲者はニール・ヤングですが、ボーカルのサラがちょっと突き放したように歌う所が好き! いろんなアイデアが詰まっていて楽しいです。なにげなくベースラインがいつもいいな!って思う。初めてセイント・エティエンヌを聴いた頃、私はパソコンで音楽を打ち込みをはじめた頃で、なんて素敵なアレンジなんだと思った記憶があります。今聴くと、ああブレイクビーツ全盛期だったのかと、、、。でも他の曲でもアレンジ、サンプリングとか当時の私に結構影響を与えたような気がします。
(2008年7月23日 Musicshelf 掲載)