H 2001年6月号 biceインタビュー

2019年4月13日

2001 an apple a day bice H Nectar SUGIURUMN アルバム未収録曲 インタビュー

bice in the cherry blossoms



  昨年、ニューアルバム発売目前にして所属レーベルが解散。シビアな状況に直面したにも拘わらず、「大事に作ったアルバムだったし、その状況でちゃんとプロモーションもされないで出しても、その方が嫌だったから」とポジティブに話すbice(ビーチェ)が、レーベル移籍し心機一転、しばらくあたためていたアルバム『Nectar』発売に先行しマキシシングル "An apple a day" をリリースします。

新しい環境の変化に世間も浮き足立って見える春のほんの一瞬――幻想的な満開の桜の中へbiceを連れ出しました。




―昨年、レーベルが無くなると聞いた時は驚きましたか?

「なくなることは何となく聞いてたんで意外と早かったなって。でも今出さなきゃっていうアルバムを作ってたわけじゃないので、へんな言い方だけど、ホッとしたところもあったんですよね。その頃atami(CHARAも参加した渡辺善太郎プロデュースのコンピレーション)もやってたし、他の細かい仕事もやってたんで、そんなに落ち込まず、みんなbiceを盛り上げてくれて、支えられたというか周りの人にはホント感謝している」

―レーベルに対する怒りはなく?

「ありましたよ。契約してから一年経たないで解散したわけだから。インディーズみたいにどんな状況でもやる気持ちがなければ、レコード会社なんて立ち上げちゃいけない。あたしはアルバム出さなかったけど、リリースしてたら廃盤でしょ?どこかが買い取ることもあるけど、それってアーティストの人生変えるくらい大きいことで、まあ、そんなことにめげてちゃいけないんだけど、そこは憤りを感じましたよ」

―そんな状況もあってのレーベル移籍、新しいマキシシングルは、少女っぽいbiceが年下の男の子にかまってほしいって内容が意外ですけど。

「年下の男の子と付き合いたいとか、そういうのは全く興味ないんですけどね。イメージは、電車の中で窓際に立ってる男の子に、自分の疲れてる状況を話したら、慰めてくれるだろうなとか。だけど何も分かってないあんたになんか慰めて欲しくないから、馬鹿にしてもいいよ、という」

―矛盾しててちょっとわがままな感情?

「大人の女性のどっちつかずな微妙な気持ちなんですけど、淡い恋の感触を妄想です(笑)」

―たぶんその妄想(笑)も含めて、biceは癒しとか穏やかな雰囲気で世界観ができてますよね。外見も歌もそれを裏切らないというか。

「そのイメージを作るまでが時間かかるんですけどね。なよなよしたものは好きじゃないんですよ。ウィスパーボイスでも意志の強そうな声だったり、骨のある楽曲というか、雰囲気はあるけど喜怒哀楽のはっきりしてる曲が好きなんです。この声で歌ってるから気にならないかもしれないけど、biceの曲でも露骨なメロディーは結構あって、それをサウンドで包んであげて、未知の世界を作ろうとしてるんですけどね」



―その作りたい世界観って変化するものだと思うんですが、初期と比べて変わりましたか?

「ライヴやったのは大きいですね。去年の9月くらいからちょこちょこ始めて、盛り上がらなくても聴いてくれるライヴって必要だと思って、アレンジ変えたりして雰囲気が楽しめるようになってきた。隙間のある音楽っていうのは間違いないなっていうか、やり続けるべきだと。最初は弱すぎて何の曲歌っても一緒のように聞こえるし、CDでは自分の世界観を聴かせられるのに、ライヴだと伝えられないんだったらやらない方がいいって思ったりもしてたんですけど、最近はやっと……」

―楽しいと思えないと、きっと伝わらないですよね。

「でもbiceの場合は、『楽し~、もうノリノリ~』とかは絶対なんないから。自分でその世界に入り込めた日はもう、あたしって素敵~(笑)とか思って、ありがとうございますって感謝の気持ちで終われるようになりつつあるんです」

―(笑)自分の曲とか結構聴きますか?

「聴きますよ、聴く、聴く。3曲目のSUGIURUMNミックスとか部屋で踊ってたもん。でも実はSUGIURUMNさんにまだ会ったこともなくて(笑)」

―そうなんですか?

「ポップで変に考え込まないリミックスをされてるのがいいなと思って、手紙書いてやってもらったんですよ。クラブで回してるから来てくださいとか言われたんですけど、クラブって20分ぐらいで居れなくなっちゃうタイプなんで(笑)、まだ行けてなくて」

―でも一刻も早く会いに行った方が……。

「挨拶だけして帰るというね(笑)」 


Photographs by Hiroshi Hatae
Styling by Rikako Sakurada
Hair arrange by AKINO (PLUS)
Make up by MEGURO (A.K.A.)
Text by Midori Hayashi
 
(H 2001年6月号掲載)

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